女優(8)

清純女優のイメージを守るため、矢作に助けを求める瞳。
矢作はドラマ撮影が終わった後、記者会見で全ての責任を被った。
また瞳も、全財産を被害者救済に投げ出すことで、世間の非難を回避する。
ドラマで共演した山本の娘・千賀子とも姉妹の名乗りを上げ、公にはしないで助け合っていくことを誓った。
ドラマは大成功し3年後、人気実力派女優の地位を不動のものにした瞳は、舞台『鬼嫁鬼姑』に出ることになった。
若手天才演出家・秋葉秀介のオファーである。
舞台一筋の大女優若森照子にしごかれるが、足を挫きながらも立派に舞台を勤めあげたことで認められた。
その間次第に秋葉に惹かれていく瞳。
初恋と言っていい感情だった。
秋葉と結婚する瞳。
TV・舞台に高い評価を得て、幸せの絶頂で妊娠する。
だが秋葉は、ニューヨークに向かう飛行機で事故に遭い、死んだ。
瞳はショックで早産する。
母子とも助かったが、茫然自失のまま。
秋葉の葬式後、皆が復帰を切望して、山本が瞳のための脚本『秋桜の咲く丘』を書いた。
それを読んで、女優に戻る決心をする瞳。
今では瞳の良き理解者となった阿久津のプロデュースで、若森と真紀が共演したスペシャル・ドラマは大成功した。
瞳と真紀は、日本を代表する女優に成長する。
だが仕事が忙しくて構って貰えない息子・秀一が、次第にグレていくのを、瞳は止められなかった。
最終巻。
高校生になった秀一が、傷害事件を起こす。
母を恨む気持ちはエスカレートし、不良仲間に入ってコカインにも手を出し、逮捕されてしまった。
瞳はマスコミのバッシングを受け、世間全体が敵になる。
心を閉ざした息子に母の演技が通じるか? 瞳は一世一代の勝負に出た。
女優を引退し、秀一と白石の3人で沖縄に移り住む。
母としての闘いをドキュメンタリーに収めながら、遂に秀一の心を開かせることに成功した。
放映されたドキュメンタリーは大評判になり、瞳は女優復帰。
白石と30年愛を結実させて結婚した。
仕事においても、私生活でも、清純派女優としてその半生を全うした天才女優。
その名は、浅倉瞳。
「ガスの検針です」――80ポンドで『飾り窓』の夜は誰にでも買える…。
飾り窓に佇む女と見まごう「彼」は、今夜も知らぬ貴方を待っている。
窓辺に立つ「彼」に一目惚れしたワニさんの甘くて切ない第1話から、女との幸福を望んで街から出、また飾り窓へ戻ってくる男、親友の残した形見のペンダントに呪縛される男、パブリックスクールの少年2人、などなど、シリーズ6話と書き下ろし『物憂い午下がり』(第0話?)16ページ収録。
だけど時々、心配になるのは、僕が思っていたよりも、君が僕を愛していること――。
財務省の官僚・矢口貴明は、ガンで余命一年を宣告された。
彼は決意する。
その事実を恋人の明日香には秘密にし、彼女に別れを告げてひとりでホスピスに入ることを……。
それは、彼の人生、最後で最大の秘密。
奔放な明日香と、彼女を愛するあまりひとり去ろうとする矢口。
二人の愛に満ちた日常と別れの切なさを、優しさに満ちた視線で期待の新鋭・御徒町鳩が描ききる!続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60020595